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ギリシャ人口データ|総人口993万人、アテネ都市圏315万人の集中構造
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読み物パート
総人口993万人、アッティカに3分の1が集中
ギリシャの総人口は2025年時点で993万8,844人、2026年初頭の推計で約990万人前後となっている。ピーク時(2008年:約1,109万人)から約120万人の減少となっており、人口減少トレンドにある国だ。ただし、その減少は経済危機期(2010〜2017年)の移民流出と出生率低下が主因で、2023年以降は外国人流入と出生回復により減少ペースは鈍化している。
人口分布の最大の特徴は「アッティカ地方への極度の集中」だ。首都圏にあたるアテネ都市圏(Athens Metropolitan Area)の人口は315.5万人(狭義の都市圏)、広義のアッティカ地方全体では約508万人と、国全体の実に51%を占める。第二の都市テッサロニキが約100万人、それ以外の都市はいずれも20万人以下であり、ギリシャは「一極集中型の国家」である。この構造が、アテネ不動産市場の価格形成に強い下支えとなっている。
高齢化は進行中、しかし移民流入で社会は多様化
ギリシャの中央年齢は2025年で46.7歳と、日本(48.9歳)に次ぐ高齢化社会だ。65歳以上人口比率は23.5%、合計特殊出生率は1.32と日本の1.26に近い水準。このまま推移すれば2050年には総人口が850万人を割り込むとの予測もある。
一方で、アテネの民族構成は驚くほど多様化している。2021年国勢調査時点でアテネ都市圏の住民のうち、アルバニア系、バングラデシュ系、パキスタン系、ブルガリア系、ルーマニア系などの移民コミュニティが約15〜18%を占める。ムスリム人口は首都圏で70万人に達し、ユダヤ人コミュニティも2,500年の歴史を持つ。2022年以降のウクライナ難民、そして2023年以降のインド・東南アジアからの労働移民(主に観光業・建設業)により、アテネの人口は実質的に純増に転じている兆しがある。
外国人居住者:黄金時代は終わるのか?
不動産投資の観点で重要なのは「外国人居住者」のトレンドだ。ゴールデンビザ制度開始(2013年)以降、ギリシャの外国人居住者数は年間約2〜3万人のペースで増加。2025年のゴールデンビザ承認件数8,879件はその象徴で、家族ビザを含めると約2.5万人が新たな居住権を取得した計算になる。国籍別では中国47.9%、トルコ、イスラエル、米国、レバノンが続き、日本からも累計で約600件の承認実績がある。
人口動態的には、(1)アテネ都市圏は移民流入で安定または微増、(2)島嶼部(ミコノス・サントリーニ)は観光経済により実質人口が季節的に10倍に膨張、(3)北部・内陸部は人口減少が加速、という3層構造になっている。不動産投資家が狙うべきは(1)と(2)のゾーンであり、(3)は長期的に賃貸需要が細るリスクがある。
データパート
総人口・主要都市人口(2025年)
| エリア | 人口 | 全国比 |
|---|---|---|
| ギリシャ全国 | 9,938,844人 | 100% |
| アッティカ地方(広義) | 約5,080,000人 | 51.1% |
| アテネ都市圏(狭義) | 3,155,000人 | 31.7% |
| アテネ市(行政区) | 約664,000人 | 6.7% |
| テッサロニキ都市圏 | 約1,006,000人 | 10.1% |
| パトラ(第3都市) | 約214,000人 | 2.2% |
| ヘラクリオン(クレタ) | 約175,000人 | 1.8% |
| ラリサ | 約145,000人 | 1.5% |
人口動態指標(2025年)
| 指標 | ギリシャ | 日本(参考) |
|---|---|---|
| 中央年齢 | 46.7歳 | 48.9歳 |
| 65歳以上比率 | 23.5% | 29.3% |
| 15歳未満比率 | 13.5% | 11.3% |
| 合計特殊出生率 | 1.32 | 1.26 |
| 平均寿命(男) | 79.4歳 | 81.5歳 |
| 平均寿命(女) | 84.5歳 | 87.6歳 |
| 都市化率 | 80.4% | 91.9% |
| 人口増減率 | ▲0.3% | ▲0.6% |
アテネ都市圏 人口推移(メトロエリア)
| 年 | 人口 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2000年 | 3,198,000人 | ― |
| 2010年 | 3,133,000人 | ▲0.2% |
| 2015年 | 3,090,000人 | ▲0.3% |
| 2020年 | 3,153,000人 | +0.1% |
| 2024年 | 3,155,000人 | 0.0% |
| 2025年 | 3,155,000人 | 0.0% |
アテネ都市圏 民族構成(2021年国勢調査ベース)
| 民族 | 比率 | 備考 |
|---|---|---|
| ギリシャ人 | 約85〜93% | エリアにより差 |
| アルバニア系 | 約4〜6% | 最大の外国人コミュニティ |
| バングラデシュ系 | 約1〜2% | |
| パキスタン系 | 約1〜1.5% | |
| ブルガリア・ルーマニア系 | 約1〜2% | EU内移民 |
| その他 | 約2% | 中国・ロシア・シリア等 |
| (ムスリム人口) | 約70万人 | アッティカ全体 |
外国人居住権取得(ゴールデンビザ)
| 年 | 承認件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年 | 2,767件 | +45% |
| 2023年 | 5,746件 | +108% |
| 2024年 | 4,553件 | ▲21%(改正駆け込み調整) |
| 2025年 | 8,879件 | +95% |
国籍別ゴールデンビザ申請者(2025年)
| 国 | シェア | 特徴 |
|---|---|---|
| 中国 | 47.9% | 最大の投資家層 |
| トルコ | 約12%(前年比+160%) | 急増中 |
| イスラエル | 約9%(前年比+91.5%) | 中東情勢で急増 |
| レバノン | 約6% | |
| 米国 | 約5% | 急成長セグメント |
| ロシア | 約4% | 制裁以降低下 |
| 日本 | 約0.8% | 累計約600件 |
| その他 | 約14% |