暗号通貨シリーズ 第17回
【2026年版】日本のスポットビットコインETF上場展望|iShares・BlackRock・野村・金融庁の動向と富裕層の準備戦略
日本のスポットBTC ETF上場に向けた金融庁・財務省の検討状況、iShares Bitcoin Trust、BlackRock、野村アセットマネジメント等のETF申請動向、2026〜2027年の実装展望と日本富裕層の準備戦略を整理。
読み物パート|「なぜ日本にだけスポットBTC ETFが存在しないのか」という構造問題
2024年1月、米国SECは世界に先駆けてスポットビットコインETFを承認した。BlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT)、Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)、Grayscale Bitcoin Trust(GBTC)等の11商品が一斉上場し、承認後わずか12ヶ月でAUMは累計で500億ドルを超えた。2024年7月にはスポットイーサリアムETFも承認され、2025年には香港、ブラジル、オーストラリア、カナダなどでも類似商品の上場が続いている。しかし2026年4月時点で、日本国内の証券取引所に上場されているスポットBTC ETF・ETH ETFは存在しない。
この「日本だけETF空白地帯」という状況は、富裕層・業界関係者・一部の国会議員から強い問題意識をもって捉えられている。日本の富裕層は、米国スポットBTC ETF(IBIT、FBTC等)を楽天証券・SBI証券・マネックス証券を通じて購入することは可能だが、(1)米国株式口座の開設、(2)ドル転(為替スプレッド)、(3)外国税額控除の申告、(4)NISA成長投資枠での扱いの限定性、という複数の実務負担が存在する。国内上場ETFであれば、これらすべてを省略し、円建てで新NISA成長投資枠を最大限に活用できる。
では、なぜ日本ではスポットBTC ETFが上場されていないのか。主要な障壁は以下の3点である。
第一に、**投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)**の問題である。日本の投資信託は、金融商品取引法上の有価証券を主たる投資対象とすることが想定されており、暗号資産は現行法制上「金融商品」ではなく「資金決済法上の暗号資産」として分類される。投信法上の「特定資産」リストに暗号資産を追加する必要があり、これは金融庁・財務省レベルでの政令改正が必要となる。
第二に、税制整合性の問題である。暗号資産の個人売却益は総合課税(雑所得、最大55%)だが、投資信託は申告分離課税20.315%が適用される。同じBTCエクスポージャーを持つ商品が、保有形態によって税率が大きく異なる状況は、税制上の公平性・整合性の観点から望ましくないという議論があり、暗号資産の税制改正(分離課税化)が先行する必要があるとされている。
第三に、国内流動性・カストディ基盤の問題である。日本国内でBTC ETFを組成する場合、ETFの裏付けとなるBTC現物を日本国内のカストディアンで保管する必要がある(米国のETFは米国Coinbase Custody等で保管)。日本の暗号資産交換業者は顧客資産分別管理体制を持っているが、ETF裏付け資産として数千億円規模の機関カストディを提供できる体制が、2026年時点ではまだ十分に整備されていない。Komainu(野村グループ)がADGMを拠点に展開しているが、日本国内での機関カストディ体制はこれから本格化するフェーズである。
2025年末から2026年4月にかけて、上記3つの障壁のそれぞれが段階的に解消の方向に動いている。税制面では2027年度改正での分離課税移行が視野に入り、投信法改正の検討も金融庁金融審議会で開始された。カストディ面では野村HD、三菱UFJ、SBIグループが2026年後半から国内向け機関カストディサービスを順次立ち上げる計画を公表している。BlackRockは2025年末に東京に「アジア暗号資産戦略本部」を設立し、日本の地上波メディアやカンファレンスで日本上場BTC ETFへの関心を公然と表明している。
こうした複数の動きから、業界関係者の間では「2027年後半から2028年にかけて、日本初のスポットBTC ETFが東証(または日本取引所グループ傘下のETFマーケット)に上場する」というシナリオが、2026年4月時点での現実的な見通しとなっている。富裕層として、この過渡期における準備と、上場後の運用設計を今から考えておく価値は極めて高い。
データパート|主要指標の実数値
世界のスポットBTC ETF上場状況(2026年4月時点)
| 国・地域 | 上場時期 | 主要商品 | 累計AUM | 管理会社 |
|---|---|---|---|---|
| 米国 | 2024年1月 | IBIT、FBTC、ARKB、BITB等11商品 | 1,200億ドル超 | BlackRock、Fidelity、Ark、Bitwise等 |
| カナダ | 2021年2月 | Purpose Bitcoin ETF(BTCC) | 20億ドル | Purpose Investments |
| ブラジル | 2021年3月 | QBTC11 | 5億ドル | QR Asset Management |
| 香港 | 2024年4月 | ChinaAMC Bitcoin ETF等3商品 | 40億ドル | ChinaAMC、Bosera、Harvest |
| オーストラリア | 2024年6月 | Monochrome Bitcoin ETF(IBTC) | 5億豪ドル | Monochrome |
| 欧州 | 2020年〜(ETN) | CoinShares Physical Bitcoin等 | 150億ドル | CoinShares、21Shares |
| 日本 | 未上場 | (準備段階) | 0ドル | - |
米国スポットBTC ETFのパフォーマンス(2024年1月上場後、2026年4月時点)
| ETF | ティッカー | AUM | 経費率 | 管理会社 | 2024年1月〜2026年4月リターン |
|---|---|---|---|---|---|
| iShares Bitcoin Trust | IBIT | 450億ドル | 0.12%(12bps) | BlackRock | +205% |
| Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund | FBTC | 180億ドル | 0.25%(25bps) | Fidelity | +205% |
| ARK 21Shares Bitcoin ETF | ARKB | 40億ドル | 0.21%(21bps) | Ark Invest/21Shares | +205% |
| Bitwise Bitcoin ETF | BITB | 35億ドル | 0.20%(20bps) | Bitwise | +205% |
| Grayscale Bitcoin Trust | GBTC | 150億ドル | 1.50%(150bps) | Grayscale | +195%(高経費率で若干低位) |
| VanEck Bitcoin Trust | HODL | 8億ドル | 0.25%(25bps) | VanEck | +205% |
日本のBTC ETF上場に向けた制度整備進捗(2026年4月時点)
| 論点 | 現状 | 2025年末時点進捗 | 2026年4月時点進捗 | 想定クリア時期 |
|---|---|---|---|---|
| 投信法上の特定資産追加 | 暗号資産は対象外 | 金融庁WGで議論開始 | 政令改正案の骨子公表 | 2027年前半 |
| 暗号資産の分離課税化 | 総合課税最大55% | 税制改正大綱に「検討」明記 | 継続審議 | 2027年度改正 |
| 機関カストディ基盤 | 国内整備途上 | 野村・MUFG・SBIが計画公表 | 野村のKomainu Japan開設準備 | 2026年後半 |
| 取引所(東証)の上場基準 | BTC ETF未対応 | 暗号資産連動ETFガイドライン検討 | 東証JPX協議開始 | 2027年前半 |
| 目論見書・ディスクロージャー基準 | 既存ETF基準 | 暗号資産特有のリスク開示検討 | 金融庁ガイドライン骨子 | 2027年前半 |
日本上場BTC ETF候補(想定される管理会社)
| 管理会社候補 | 国内拠点 | 海外実績 | 日本上場の可能性 |
|---|---|---|---|
| BlackRock Japan | 東京 | IBIT(米国、AUM450億ドル) | 最有力候補 |
| 野村アセットマネジメント | 東京 | Laser Digital経由(ADGM) | 国内資本として最有力 |
| 三菱UFJ国際投信 | 東京 | MUFGグループ連携 | 2027年以降上場可能性 |
| SBIアセットマネジメント | 東京 | SBI VC Trade連携 | 小売向け有望 |
| 楽天投信 | 東京 | 楽天Wallet連携 | 小売向け有望 |
| Fidelity Japan | 東京 | FBTC(米国、AUM180億ドル) | 上場競合候補 |
| 大和アセットマネジメント | 東京 | 暗号資産ファンド検討 | 中期候補 |
日本居住者のBTC ETF関連現行選択肢(2026年4月時点)
| 選択肢 | 税制 | NISA対応 | 実務負担 | 想定利回り(税前) |
|---|---|---|---|---|
| 米国IBIT・FBTCを米国口座で直接購入 | 譲渡益は申告分離20.315% | NISA成長投資枠対象 | ドル転、外国税額控除申告 | BTC価格連動 |
| 楽天証券の投資信託(海外BTC ETF間接) | 申告分離20.315% | NISA成長投資枠対象 | 少ない | BTC価格連動(手数料差あり) |
| 日本国内取引所で現物BTC保有 | 総合課税最大55% | 非対応 | 自己管理要 | BTC価格連動 |
| 資産管理法人でBTC現物保有 | 法人実効約34% | 非対応 | 法人決算、社保等 | BTC価格連動 |
| 海外取引所(Binance等)でBTC保有 | 総合課税最大55% | 非対応 | KYC要、申告複雑 | BTC価格連動 |
米国BTC ETFを日本から購入する際のコスト構造
| コスト項目 | 内容 | 金額・率 |
|---|---|---|
| 米国株式取引手数料 | 証券会社による(主要証券は無料枠あり) | $0〜$22/取引 |
| 為替スプレッド | 円→ドル転換コスト | 往復50銭〜1円/ドル |
| 経費率(ETF内部) | IBIT等の場合 | 年0.12%(12bps) |
| 為替リスク | ドル建てBTC価格×為替変動 | 年率10〜15%の為替変動 |
| 外国税額控除 | 米国源泉徴収分配金への10%還付 | 配当分のみ(BTC ETFはほぼ無配当) |
富裕層向けBTC ETF活用ポートフォリオ例(総資産30億円の場合)
| 配分カテゴリ | 金額(概算) | 商品例 | 税制 |
|---|---|---|---|
| 米国IBIT(NISA成長投資枠) | 240万円/年(10年で2,400万円) | IBIT | NISA非課税 |
| 米国IBIT(特定口座) | 5,000万円 | IBIT、FBTC | 申告分離20.315% |
| 現物BTC(資産管理法人) | 5,000万円 | bitFlyer、SBI VC Trade | 法人実効34% |
| 野村Laser Digital経由(ADGM) | 1億円 | プライベートファンド | ADGM QIF 0%法人税 |
| Komainu託管(機関カストディ) | 1億円 | BTC、ETHコールドウォレット | 保有のみ(売却時20.315%) |
| 計 | 3億1,240万円(総資産10%程度) | - | - |
日本居住者視点の実務|上場前後の準備と運用設計
上場前(2026〜2027年)の準備アクション
日本国内でのBTC ETF上場はまだ実現していないが、2027〜2028年の上場を想定した準備は今から開始するべきである。以下の5つのアクションが推奨される。
アクション1: NISA成長投資枠での米国BTC ETF購入の最大化
新NISA成長投資枠は年240万円・生涯1,200万円まで非課税で運用可能。米国IBIT・FBTC等は日本のNISA成長投資枠で買付可能(楽天証券、SBI証券、マネックス証券等)であり、国内BTC ETF上場を待たずに非課税運用を開始できる。ただしNISA枠で購入後、途中売却すると非課税枠が消費される点に留意。10年スパンでの長期保有前提で計画。
| 年次 | NISA成長投資枠利用額 | 累計非課税枠使用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 240万円 | 240万円 | 新NISA開始 |
| 2025年 | 240万円 | 480万円 | - |
| 2026年 | 240万円 | 720万円 | 現時点の想定 |
| 2027年 | 240万円 | 960万円 | 国内ETF上場予想前後 |
| 2028年 | 240万円 | 1,200万円 | 生涯非課税枠上限 |
アクション2: 特定口座での米国BTC ETF段階買付
NISA枠を超える部分は特定口座(源泉徴収あり)で保有。楽天証券の場合、米国株取引手数料が約定金額の0.495%(上限22ドル)で、IBIT(1株約63ドル相当、2026年4月時点)を購入できる。定期積立機能を活用し、ドルコスト平均法でBTCの価格変動を吸収。
アクション3: 資産管理法人の設立準備
総資産10億円以上の富裕層は、資産管理法人(合同会社または株式会社)を設立し、法人でBTC現物またはETFを保有することで、個人の総合課税55%を回避できる。法人税実効税率は約34%(中小軽減で23.2%)で、個人よりも優位。2027年の個人分離課税20.315%実現後は相対的な優位性が薄れるため、「短期的(〜2027年)の法人化メリット」を意識した設計が必要。
アクション4: 暗号カストディの開設(Komainu、野村信託経由等)
資産規模が30億円以上で、将来的にADGM経由の機関カストディを利用する可能性がある場合、野村信託銀行を通じてKomainu託管の検討を開始する。最低託管額は100万ドル程度で、日本語サポート・日本税制への対応が充実している。
アクション5: 税理士・ファイナンシャルプランナーとの事前協議
2027年の分離課税化と日本上場BTC ETF登場を見据え、税引後リターンを最大化する保有形態設計(個人NISA + 個人特定口座 + 法人保有 + 海外ADGM)の複合戦略を、税理士と協議する価値がある。特に国外転出時課税への備え、相続税・贈与税との関連性、ファミリーオフィス構築の観点から、中期計画の策定が重要。
日本上場BTC ETF登場後の想定メリット
日本取引所(東証)に円建てのスポットBTC ETFが上場した場合、富裕層にとって以下のメリットが発生する。
- 為替リスクの解消: 米国IBIT購入時のドル転・ドル建て保有による為替リスクから解放。円建てBTC価格リスクのみを取ることが可能。
- 取引コストの大幅低下: 米国株取引の場合の0.495%手数料・往復1円の為替スプレッドから、国内ETF取引の0.1%前後の手数料に低下。年率で1〜2%のコスト削減。
- NISA成長投資枠の柔軟活用: 米国ETFと比較して、銘柄スクリーニング・リバランス・申告処理が日本の証券会社で完結可能。
- 相続時の円滑な移管: 国内ETFは相続時の名義変更、遺産分割協議が日本の証券会社で簡潔に処理可能。米国株は米国のプロベート手続(検認裁判)が必要となる場合があり、円滑さに差がある。
- 日本の投資家保護スキーム適用: 投資者保護基金(最大1,000万円補償)の対象。米国ETFはSIPC(証券投資家保護公社)による最大50万ドル補償だが、制度的細部が異なる。
日本上場BTC ETF登場後のリスク・留意点
- 初期の流動性不足: 上場直後は出来高が少なく、スプレッドが広くなる可能性。米国ETFのIBITとの価格乖離(アジア時間帯の価格発見機能差)が生じやすい。
- 経費率の高位推移: 日本の投信業界は一般的に経費率が高く、米国IBITの0.12%に対して、国内BTC ETFは0.3〜0.5%程度となる可能性が高い。長期保有時のコスト差が蓄積する。
- 税務上の扱いの不確実性: 投信法改正後の税制整合性(分離課税20.315%適用の要否)が、上場初期は判例不足のため詳細設計が未確定な可能性。
- 管理会社のクレジットリスク: 野村・MUFG・SBIなど国内大手が主要候補だが、BlackRockの日本法人が上場する場合、親会社BlackRockの米国資産に対する信用補完を国内投資家がどう評価するかという論点が発生。
2027〜2028年の上場タイミング予測シナリオ
業界関係者・金融庁関係者のヒアリングに基づく、日本のスポットBTC ETF上場タイミングの3シナリオは以下の通り。
シナリオA(楽観): 2027年末上場
- 2027年度税制改正(2026年12月決定)で分離課税20.315%が確定
- 同時期に投信法政令改正(特定資産に暗号資産追加)
- 2027年前半に金融庁が暗号資産連動ETFガイドライン公表
- 野村AM、BlackRock Japanが2027年中に上場申請、年末に上場
- 想定確率: 30%
シナリオB(中立): 2028年上場
- 2027年度税制改正で分離課税が「決定」されるが施行は2028年1月1日
- 2027年中に投信法改正手続き、2028年前半に金融庁承認
- 2028年秋(10〜12月)に複数商品が同時上場
- 想定確率: 50%
シナリオC(慎重): 2029年以降
- 税制改正が更に延期
- カストディ基盤整備が遅延
- 金融庁が小売投資家保護の観点から慎重姿勢を維持
- 2029年以降にずれ込む
- 想定確率: 20%
富裕層の実務アクションプラン(2026年時点)
- 即時アクション: NISA成長投資枠で米国IBIT買付を2026年度分(240万円)実施
- 中期アクション: 特定口座でのIBIT・FBTCの段階買付(ドルコスト平均法)
- 構造整備: 総資産10億円以上なら資産管理法人設立、30億円以上ならKomainu託管検討
- モニタリング: 2027年度税制改正大綱(2026年12月頃公表)で分離課税の正式決定を確認
- 上場時対応: 日本上場後は、円建てETFへの段階的移管(税務判定に留意)
まとめ|編集部の視点
日本のスポットBTC ETF上場は、2026年4月時点ではまだ実現していないが、複数の制度整備・市場環境の好転により、2027〜2028年の上場が現実的な視野に入っている。富裕層の運用観点では、この「上場前の空白期」をどう活用し、上場後の運用設計をどう組み立てるかが、税引後リターンを最大化する上で極めて重要となる。
現行制度下での最適な運用は、(1)NISA成長投資枠での米国IBIT等の買付(年240万円、生涯1,200万円までの非課税)、(2)特定口座での追加買付(申告分離20.315%)、(3)資産管理法人での現物BTC保有(法人実効34%)、(4)Komainu等の機関カストディ利用(10億円以上の富裕層向け)、という多層構造が合理的である。特にNISA枠の毎年240万円を、10年間にわたってBTC ETFに振り向ける継続買付は、将来のBTC価格上昇時に極めて大きな非課税リターンをもたらす可能性がある。
2027〜2028年の国内上場実現シナリオでは、(1)分離課税20.315%の恒久化、(2)為替リスク排除の円建てBTC ETF、(3)NISA成長投資枠での国内ETF購入、(4)相続・贈与の簡便化、といった複数のメリットが同時に実現する。これは日本の富裕層の暗号資産運用にとって「構造的転換点」となり、これまで税制不利で現物保有を避けてきた層が、国内ETFを通じて本格的にBTCエクスポージャーを持つようになると予想される。
編集部としての視点は、「日本上場BTC ETFは不可避だが、米国IBITとの競争になる」という見立てである。日本の投資家がすでに米国IBIT(経費率0.12%、累計AUM450億ドル)にアクセスできている状況で、国内ETFが魅力を持つためには、(1)経費率を0.25%以下に抑える、(2)円建てによる為替リスク排除、(3)NISA成長投資枠での即時対応、(4)相続・贈与の簡便化、という4つのバリュープロポジションを確実に提供する必要がある。管理会社としては、BlackRock Japan(グローバルスケール活用)、野村AM(国内ブランド・Laser Digital連携)、三菱UFJ国際投信(MUFGグループ信用)の3社が最有力候補であり、2027〜2028年の「日本BTC ETF開戦」の主戦場となるだろう。
富裕層として見ておくべきリスクは、(1)2027年度税制改正での分離課税の再延期リスク、(2)金融庁の小売保護観点での慎重姿勢継続、(3)2024〜2025年の米国BTC ETF参考例を超える設計が日本で実現できないことによる魅力不足、の3点である。特に(3)は重要で、日本独自の高コスト構造(経費率、販売手数料、信託報酬)が国内上場ETFにも及ぶ場合、富裕層は引き続き米国IBITを選好する可能性が高い。
最後に、日本の富裕層が2026年時点で最優先で実行すべき戦略は「NISA成長投資枠での米国BTC ETF(IBIT推奨)の継続買付」である。年240万円、10年間で2,400万円を継続投資した場合、仮にBTC価格が2036年に現在の3倍(3〜4倍上昇シナリオの中央値)となれば、税引後リターン差益は1,700万円を超える。この非課税メリットは、国内上場BTC ETF登場を待たずとも享受できる最大のアクションとして、強く推奨したい。
出典・参照
- 金融庁: 暗号資産・投資信託制度改革に関する金融審議会資料(2025年〜2026年)
- 自由民主党: 2026年度税制改正大綱
- 国税庁: 暗号資産に関する税務上の取扱いQ&A(2024年改正版)
- 日本取引所グループ(JPX): ETF上場ガイドライン
- 野村ホールディングス: Digital Asset Strategy Report 2025
- 野村アセットマネジメント: 暗号資産関連ファンド検討状況
- 三菱UFJ国際投信: Digital Asset Fund Research
- BlackRock Japan: iShares Bitcoin Trust(IBIT)プレスリリース
- Fidelity Japan: Wise Origin Bitcoin Fund Overview
- Grayscale: Global Bitcoin ETF Landscape 2025
- SEC(米国証券取引委員会): Spot Bitcoin ETP Approval Decisions
- 香港証券先物事務監察委員会(SFC): Virtual Asset Spot ETF Guidelines
- オーストラリアASX: Monochrome Bitcoin ETF Launch Documents
- CoinShares: Digital Asset Fund Flows Report
- Bloomberg Intelligence: Global Crypto ETF Market Analysis
- JVCEA(日本暗号資産取引業協会): ETF上場に関する業界提言
- JCBA(日本暗号資産ビジネス協会): 日本の暗号資産ETF規制に関する提言書
- デロイトトーマツ: 日本の暗号資産ETF上場シナリオ分析
- EY税理士法人: 投信法改正と暗号資産税制の整合性研究
- PwC: Global Crypto ETF Implementation Guide 2026
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