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連載|資産保全シリーズ 第2回

投資家ビザで入国できる国ランキング|UAE・シンガポール・豪州の要件比較

資産保全ビザ移住長期滞在
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WealthAtlas 編集部国際投資リサーチチーム
公開:2026-04-06
最終更新:2026-04-17
読了:約11分

「投資でビザが取れる国」は2026年時点で30カ国以上。しかし最低投資額・必要居住日数・家族帯同条件は国ごとに大きく異なり、どれを選ぶかで生活の制約が180度変わります

本稿は、日本の富裕層が現実的に検討可能な7カ国のゴールデンビザ/投資家ビザについて、最低投資額・年間必要滞在日数・家族要件・永住権への道筋を横並び比較します。

結論|目的別の最適解

1
UAE Golden Visa(不動産枠)
200万AEDの不動産購入で10年ビザ。年1日の滞在で維持可能。個人所得税ゼロとの相性が最強。
2
豪州 Global Talent Visa
滞在要件なしで永住直結。ただし学術・技術・ビジネスでの世界的実績が必要。条件を満たせる日本人富裕層に最適。
3
ポルトガル D7/D8ビザ
EU居住権が得られ、パスポート取得まで5年。年183日の居住が必要で、本気の移住向け。
ビザは「取得のしやすさ」と「維持のしやすさ」で分けて考えます。取りやすい国ほど維持要件が厳しく、家族の生活設計と整合するかが選定の軸です。

横並び比較

国・ビザ最低投資額年間必要滞在家族帯同永住権
UAE Golden Visa200万AED(約7,800万円)年1日配偶者・子可10年更新制
シンガポール GIP1,000万SGD(約11億円)最低5年居住取得可
豪州 Global Talent—(業績ベース)義務なし即取得
ポルトガル D8—(所得証明)年183日5年で取得
マレーシア MM2H100万RM(約3,300万円)年90日長期ビザのみ
タイ LTR現金100万USD + 所得8万USD義務なし10年ビザ
米国 EB-580万USD〜永住後は年1日以上グリーンカード

UAE Golden Visa

UAEのGolden Visaは2019年導入、2022年の制度改定で取得ハードルが大きく下がりました。200万AEDの不動産購入が最もシンプルな経路で、ローン付き物件も対象(自己資金100万AED以上)です。

01

不動産枠の要件

UAE国内の不動産(完成済みまたは建設中も可)を単独または合算で200万AED以上保有。ローン活用時は元本の50%以上を自己資金で。
02

家族帯同の範囲

配偶者・子(25歳未満の学生または未婚の娘は年齢制限なし)・両親・家事使用人まで対象。家族全員で10年ビザ。
03

滞在義務と税務判定

年1日以上の滞在で維持可能。ただし税務上のUAE居住者判定には年183日以上の滞在が必要。節税目的の場合は条件が全く異なる点に注意。

シンガポール GIP

シンガポールのGlobal Investor Programme(GIP)は、1,000万SGD以上の新規事業投資または指定ファンド投資で永住権(PR)を取得できるエリートプログラム。2023年に要件が大幅に引き上げられ、実質的に事業オーナー向けの制度となりました。

投資のみでなく、申請者本人がシンガポールで事業運営する実態が求められるのがポイント。単なる資金投下ではPR取得につながりません。

失敗パターン

滞在要件を甘く見る

よくある失敗パターン

ビザ更新時に滞在実績が確認される国(豪州・ポルトガル・米国)で、計画より滞在日数が不足し更新を拒否されるケースが散見される。

回避策

出入国記録の実績管理を月次で行い、必要最低日数に20%程度のバッファを持たせて滞在計画を組む。

不動産を売却すると同時にビザが失効

よくある失敗パターン

UAE・ポルトガルなど不動産投資ベースのビザは、物件売却と同時にビザも失効。リバランスしたら在留資格も消えた、という事態に。

回避策

ビザ維持物件は別枠で長期保有枠とし、運用資産のリバランス対象とは切り分ける。売却時期はビザ更新サイクルに合わせる。

ビザ取得=税務非居住者と誤解する

よくある失敗パターン

ビザを取得しただけで日本の非居住者になれると誤解し、日本の全世界所得課税が続いたまま海外投資を行ってしまう。

回避策

税務居住者判定は「生活の本拠」の実態判断。家族帯同・住居処分・職業基盤移転を伴って初めて税務効果が発生する。

よくある質問(FAQ)

Q1.最もコストパフォーマンスがよいのはどれですか?
投資額・滞在要件・維持コストの総合で見ると、UAE Golden Visaが最優秀です。7,800万円相当の不動産で10年ビザが取得でき、年1日の滞在で維持可能です。
Q2.子供の教育を考慮した場合のおすすめは?
シンガポール(世界トップ水準の学校とアクセス)、豪州(英語圏・多文化)、ポルトガル(欧州インターナショナルスクール)が3大候補です。
Q3.複数のビザを同時保有できますか?
原則として可能です。UAE Golden Visa + タイLTRなどの組み合わせは、東西アジアに足場を持ちたい富裕層に人気の構成です。ただし税務居住者は1カ国に限定する必要があります。
執筆 EDITORIAL TEAM
WealthAtlas 編集部
国際投資リサーチチーム

43カ国×21資産を横断調査するWealthAtlasの編集チーム。一次ソースに当たり、富裕層向けの海外投資情報を毎日更新しています。

出典・参考文献

  1. [1]UAE Federal Authority for Identity and Citizenship (ICP) — Golden Visa Guide: https://icp.gov.ae/en/service/golden-visa/
  2. [2]Singapore Economic Development Board (EDB) — Global Investor Programme: https://www.edb.gov.sg/en/how-we-help/global-investor-programme.html
  3. [3]Australian Department of Home Affairs — Global Talent Visa (subclass 858): https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/global-talent-visa-858
  4. [4]AIMA Portugal (Agency for Integration, Migration and Asylum) — D7/D8 Visa: https://www.aima.gov.pt
  5. [5]日本国税庁 — 国外転出時課税制度: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1477.htm
  6. [6]Henley & Partners — Passport Index 2026: https://www.henleyglobal.com/passport-index
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定のビザ取得・移住を推奨するものではありません。記載の投資額・要件は2026年4月時点の参考値で、今後変更される可能性があります。ビザ申請の最終判断は各国政府機関の最新情報と国際税務・移民法の専門家の助言に基づいてください。